あらしのよるに
ドン・キホーテ
ストーリー

スペイン、ラ・マンチャ地方のある町に、アロンソ・キハナという老人が住んでいました。
彼は毎日毎日、騎士の本を読みすぎて、ついには自分を勇敢なる正義の騎士だと思い込んでしまいます。
ドン・キホーテと名を変えて、やせ馬のロシナンテ、隣りの農夫サンチョ・パンサを従えて、この世に悪を生み出す、大魔王を倒すための旅に出発します。
風車を悪の巨人と思い込んで戦いを挑んだり、ボロボロの宿屋を立派な城と思い込み、宿屋の娘アルドンサを、麗しき姫君ドルシネアと思い込むなど、ドン・キホーテの旅は波乱万丈。
姪のアントニアと婚約者のカラスコは、なんとかアロンソを正気に戻そうとしますが…。
果たして、ドン・キホーテの冒険の結末は…!?


世界最高の文学…ドン・キホーテの魅力!!

世界でもっとも読まれている小説、そして世界最高の文学とも言われる『ドン・キホーテ』。
この『ドン・キホーテ』の魅力とは何なのでしょうか…。
一見すると、本を読み過ぎて頭のおかしくなってしまった老人が、自分を騎士だと思い込み、周囲の人々を 巻き込みながら破茶滅茶な冒険をする、喜劇の物語のように見えます。
しかし、ドン・キホーテの破茶滅茶な行動の裏側には、隠されたメッセージが詰まっているのです。
例えば 有名な『風車』のシーン。
風車は変えられない現実を意味します。
風車を悪の巨人と思い込み、立ち向かうドン・キホーテの姿は、傍から見ればとても滑稽です。
しかし、変えられない現実に立ち向かい、この世に 平和をもたらすために、不屈の精神で悪に挑むドン・キホーテの姿は、けして滑稽なだけではないはずです。
正義の騎士として、高潔な理想を掲げ、遍歴の旅に出たドン・キホーテ。
その理想と信念に基づいた純粋で ひたむきな姿は、滑稽でありながらも人々の心を強く打ち、忘れられない感動を与えてくれるのです。
時代が変われどもドン・キホーテの見果てぬ夢は、今も変わることのない人々の夢です。
そしてドン・キホーテの生き様は、先行きの見えない情勢が続く今だからこそ、より多くの人に衝撃と感動 を与えてくれるはずです。
是非『ドン・キホーテ』という作品の魅力を舞台を通じて、生の演劇で感じて頂けたらと願っております。

(脚本・演出  秋葉大介)

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